2019年09月12日
神経ブロックは「くせ」になる?痛みや安全性などよくある質問まとめ
Q.神経ブロックは痛いですか?
注射ですので、もちろん少し痛いです。はじめにチクッとしたあと、薬液注入時にズーンと重い感じがします。
注射の種類によっても痛みは異なりますが、患者さんたちに聞いてみると、思ったほど痛くなかったとおっしゃる方が多いです。
ちなみに当院では、注射自体の傷みを軽くする為に、以下のような工夫をしています。
1.採血や点滴などよりも何段階も細い針を使用
2.注射の前に皮膚麻酔を行う
3.神経ブロックの中でも痛みの少ないものを選択する
4.時間のかからないレントゲン透視下法で行う
Q.神経に注射を打つのは危険なイメージがあるけど大丈夫?
神経ブロックの種類によっても難易度が異なるため一概に言えませんが、医療行為である以上、完全に安全ということはありません。一定の危険は伴います。
だからこそ安心できる技術や豊富な経験が求められるのです。
例えば、体の深い部位を治療する神経ブロックには、盲目的方法といわれるレントゲンを使わずに行う方法よりも、 視覚的方法と呼ばれるレントゲン透視下で行う方法の方が、より治療の安全性を高めることができます。
また、神経ブロック後の安静時にきちんと血圧測定や容体確認を継続して行うことも安全性を高めるために重要ですので、当院では実施しています。
Q.神経ブロックは「くせ」になることはありませんか?
治療が長期化してしまうケースはありますが、注射そのものに習慣性や所謂「中毒性」のようなものはありません。
つまり、注射が「くせ」になることはないといえるでしょう。
Q.神経ブロックは所詮一時的なもので、根本的な治療法ではないのでは?
例えば、胃がんなどの場合、胃がんのがん細胞の存在そのものを取り除くことが根本的な治療につながります。
つまり「胃がんの存在=病気」の状態であると言えます。
しかし、椎間板ヘルニアの場合、「椎間板ヘルニアの存在=病気」ではないのです。
実は、人類には基本的に10%以上の確率でヘルニアが存在しています。
しかし、そのほとんどが無症状であるため、そうした人々は「隠れヘルニア持ち」ということになります。
ではどの段階で、この人々が病気の状態になるかというと、無症状だったヘルニアに炎症が起きた段階です。
この状態で初めて坐骨神経痛などの「病気」になります。
つまり、椎間板ヘルニアの場合「ヘルニアの存在」ではなく「炎症の存在」を取り除くことが根本的な治療につながると言えます。
アプローチの違いはあれど、神経ブロック、手術のどちらも、根本的な治療法と言えるでしょう。
ただし、神経ブロックが必ずしもすべてのケースで全能であるというわけではありませんので、患者さん一人一人にあった治療法をご提案します。